壊れていく家庭 6
前日から、彼のメールが明るかった。
久しぶりに、元気な明るいメールが続いた。
やっと会える。
やっと会えるよ!
約束の時間前には、ドキドキしてた。
親兄妹を捨てた彼にとって、唯一、血の繋がりのある家族。命を懸けてもいい程の宝物。
小さな小さな体で、
パパとママが、お別れしたら、パパが一人ぼっちになると考えて、自分は一緒にいるよと言える女の子。
娘がいれば他に何もいらないと、
あのハングリー精神の高い彼に言わせる存在。
どうか、取り上げないで欲しい。
面会なしなんて、言わないで欲しい。
次の日、
可愛かったよ。
回転寿司に行ったよ。
たまごのお寿司を沢山食べたって。
そのあとは、ずっと、膝に座ってお喋りしてたらしい。
待ち合わせの時間に迎えに行くと
奥さんは屋内。
たった5歳の娘さんは、ぽつんと玄関の外に立っていたらしい。
今のこんな時代、その目を離した数分を後悔する事件の多い中で、どうして、夕方、1人玄関の外で待たせる真似が出来るんだろう。
会えた時間はとても幸せだった。
このまま、娘を連れて消えてしまいたいほどに。
だけど、次の日にやってきた喪失感は半端なかった。
こんなにも苦しくて寂しくて辛いなら
会わない方がよかった。と彼が言った。
「~しなければ良かった」なんて、そんな言葉が、彼の口から出るなんて。
「反省はしても後悔はしない」が、私のモットーで、
彼もまた、そうだった。はず。
どんどん、彼が変わってく。
なのに無力な自分が悲しかった。
これが、不倫なんだ。そう思った。
結局、何も出来ない。
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