彼のいない世界 4
彼の娘は、年長さんだった。
次の春には新一年生。
彼の頭に、ランドセルを背負う姿をみたいという気持ちさえ浮かばなかったんだろうか。
きっともう、ランドセルは用意されていたろうに。
奥さんは、罪悪感を持ってくれただろうか。
自分が、死ぬほどに追い詰めたと
後悔してくれているだろうか。
悔やんでいるだろうか。
心を痛めてくれてるだろうか。
お骨を手放してしまったのは、その贖罪の気持ちに耐えられないからだったと思いたい。
そうでなければ。。。
娘さんにとって、たった一人の大好きなパパのお墓参りもさせてあげられない。
成長した時、
パパの死を理解した時、当然、お墓参りをしたがるだろう。
その時、奥さんは、どうするつもりなんだろうか。
娘にとって、たった1人の父親。
1度は好きだったから付き合った。
子供が出来たにしても、好きだから結婚したんだと思う。
一生、一緒にいるつもりだったから、家を建てたはず。
苦しんで欲しいと思った。
夏を越え、段々、日が落ちる時間が早くなり、なんとなく、心寂しくなる季節に
家に帰れず山で車泊しながら
寂しさと娘への会いたさで、苦しんでた彼を
死ぬほどに追い詰めた事を
本気で後悔して欲しい。
その後悔で苦しんで欲しい。
そう思わずにいられない。
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