彼の子供が無事に産まれた。

女の子で、彼が名付けた。

奥さんの 妊娠中の体調の悪さからの不機嫌に、振り回されることも無くなるし、

彼も本来の彼に戻れる。

たまに近況を知らせ合うやり取りメールをする程度だったけど、

ある日、彼から

忘れられないと言われた。

「約束したから、もうダメだよね。もう、会ってもらえないよね。」

その頃の私は、Aから抜け出したいけど、抜け出せない辛さと葛藤してた。

Aの何がいいのかわからない。普通の常識が通用しない「俺様」なのに。

価値観も違うのに。でも、洗脳されてたのか、Aの言う通り、離れられないと思ってた。

離れる事を怖い気もしてた。

だけど、心が安定することは無く、いつも苦しい。満たされない。寂しい。

多分、2度目は

私が彼に元気をもらいたかったんだと思う。

1度きりの約束は、お互いに守ることが出来ず、それどころか、そこから、私と彼は本当に始まってしまった。

彼が言った。

「ずっと、俺に癒しなんか、なかった。

そんなもの、必要ないと思ってた。

俺は誰よりも俺自身の可能性を信じているし、まだまだ、大きくなっていく。

寂しい気持ちも、安らぐ場所も、何も無くても生きていける。欲しいと思ったことなんか無い。

なのに、mioちゃんと、こうなって初めて、

癒されるという事を知ってしまった。

癒しも必要だと思うようになってしまった。

ちゃんと、責任取ってよ（笑）」

なんだろう。

まだ、1人の男として惹かれている訳では無いのに、

Aに振り回されて、乱れてる気持ちを安定させるために。。だったのに

それを聞いて、思わず涙が出た。

彼が、癒しなんて必要ないと思ってるような生き方をしてきたのを私はよく知ってるから。

誰よりも「男たるもの」どうあるへき！と考えが強い人なのを知ってるから。

この子の癒しでいたい。