壊れていく彼
「なんて事をしたんだろう。
大人の俺でさえ、こんなに、寂しくて辛くて悲しいのに、たった5歳の娘は、どれだけ、寂しい思いをしてるだろう。
会わない方が良かった」
そう彼が言った。
私は、子供は大丈夫だと思うと答えた。
「娘さんは、もう会えないとは、思ってない気がする。
あの年齢の子なら、パパに会えた。嬉しかった。楽しかった。
次はいつ会えるかなぁ。
次に会ったらどんなお話をしようかなぁ。って、常に前向きにその時々を過ごすと思うよ」
と、答えた。
でも、彼は
会った日を境に、どんどん崩れていった。
「弱音吐くのは嫌いだけど、
辛いよ。」
仕事に集中できないんだ。
何をしてても楽しくないんだ。
俺はどうしたんだろう?
俺は、消えた方がいいんじゃないかなと思う。
俺さえいなければ。。。
もう、自分の存在価値が見えないよ。
彼は、こんな事を言うのはもちろん、考える事さえしない人だった。
だから、よっぽどだったんだと思う。
きっと、職場でもどこでも、こんな自分を見せてない。口にしてない。それが出来ない人。。。寂しいや、辛いなんて言葉は、何があっても口にしない人。
どん底になっても、それを出せない人。
子供の頃からそうやって生きてきたから。
私が、「これから、行こうか?」と言うと
「今の俺を、mioちゃんに見られたくない」と。
そこで、無様な状態の自分を人に見せれる人であれば。。。
誰かにすがれる人であれば。。。
彼は人に恵まれてた。
だから、さらけ出してたら、いろんな人が支え、1人になる時間を与えること無く
誰かが、一緒にいてくれたと思う。
そうすれば、彼は今も生きていたかもしれない。
運命の人だと思いながら、それでも、私は
家庭を捨てて彼の居場所を作る気はなかった。
おそらく逆の立場だとして、彼もそうだと思う。
死ぬまで、こんな風に続くんだろうとお互いに思っていても
一緒に人生を歩きながら家庭を築いていくという意味の運命の人ではない。
それは、今もうまく説明できないけど。。。。
そして、例えばもし、子供も自立してる私が離婚して彼のために、彼の居場所を作った所で、彼を救えるのはほんの一時期。
それを過ぎたら、彼は、介護のために一緒にいる羽目になるだけ。
それが、現実。
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